作業仮説「システム構築の有効性」の提示
研究目的において掲げた以下の作業仮説を提示する。
- 参加者は多忙な社会人が予想されるので、必ずしも一定の時間に遠隔授業に参加できるとは限らない。そこで、ビデオなどの教育を補完する教材を提供できる体制を用意することで、欠席することにより起こりがちな学習意欲の減退を防止することができ、学習の継続率を高めることができる。
- 遠隔授業のような「隔たり」の教育は、伝統的な教育と比較すると受講生の間で共通するコンテクストが得にくいから、受講生に対して「交わり」の場を提供することが受講生同士の連帯意識を発生させることとなるので教育上効果があると思われる。この場合の「交わり」は、オンラインのミーティング、あるいは、オフラインのミーティングの双方が考えられる。
- 遠隔授業を受講するための遠隔授業受講場所として、大別して二つに分けることとする。第一は、企業内教育の一環として、企業の研修所等を利用するというものである。当該企業の社員を対象とする場合と当該企業以外の一般の社会人までを対象とする場合との二つを想定することとする。第二は、広く一般の社会人が利用できるような場所である。そのなかでも、公的施設と営利施設との2種類を想定する。公的施設として、首都圏に施設を有する社団法人や財団法人もしくは商工会議所や公民館等を想定する。営利施設として、仕事を持った社会人が参加するために受講しやすい場所を候補として想定する。特に、都心の駅から近い商業施設、具体的には都心の大型書店などの店舗の一角を考える。書店は社会人が仕事に関連する書物や情報を獲得しようと集まってくる場所でもある。さらに、書店であるからには、受講生は書物をその場で入手することができ、特に、教師の著した関連する書物も容易に入手できる。集客力が上がることで、書店にとっても書物の売上が増えることにつながらないだろうか。結果として、大学側と書店側の双方にとってのメリットとなりうるのではないかと考える。