4 遠隔教育とは

遠隔教育の種類


一般に、遠隔教育とは、「学習者と教授者が空間的・物理的に距離があるために、電子機器や印刷媒体および通信手段等を利用して、学習ないし教育の場を設定する教育方法」を言う。

遠隔教育の目的として、以下のようなことが挙げられる。

  1. 個人ないし社会において実際に価値と有用性が認められ、とくに労働市場や資格認定機関などに要請されて、知識や技術skillを習得すること
  2. 人間性を豊かにし、かつ社会が要請するような知識・価値・習慣を学び、内在化していくこと
  3. 当面する重要な研究や課題に対して、独力で学習する能力を開発し、身につけていくこと
  4. リカレント・エデュケーションのために意欲づけをおこなうこと

これまで、遠隔教育の事例の多くは、主な情報の伝達手段として、放送や印刷教材を使用していた。これは、以下のような理由による。

  1. 多数の対象に同時に情報を伝達できる
  2. 安価である
  3. 広く一般に普及しているであろう機器を使用して情報を伝達できる

しかし、これらの教授メディアは、教授者側から学習者側への一方的な情報の伝達のみであり、フィードバックが極めて欠如している。授業を効果的に成立させるためには、双方向の情報交換が必要不可欠である。 我が国では、生涯教育を目的としたものとして、放送大学が1978年に設立され、放送大学による放送を利用した大学講座が、1986年より行われている。これら一連の講座の受講生に対して行われた調査結果から、遠隔教育においては、学習者はかなりの孤独を感じること、また、適切な助言でつまずきから脱却できる場合が多いことが指摘されている。 遠隔教育が資格を取るために受講されるような場合は、目的がはっきりしており、一方向的な教授メディアのみでも学習の成立を期待できる場合が多い。しかし、社会人教育の観点から遠隔教育を採用するためには、十分なコミュニケーションの手段を確保することが必要であると考える。