リフレッシュ教育の種類


@ 社会人特別選抜制度


社会人特別選抜制度とは、その名のとおり、社会人を対象に一般の志願者とは別枠で選抜を行うもので、入学の学力検査を免除ないしは軽減し、社会人としての経験や勉学意欲を重視した入学者の選抜を行うものである。

学部においては、1979年に初めて行われ、その後、徐々に拡大し、現在では大学院においても行われている。社会人入試を実施した大学は、96年度時点で484学部、また、大学院については同様に、194大学の424の研究科で実施されている。文部省の調査によると、96年度の大学院の社会人入学者(職業についている者、定年退職者、主婦などで、一般入試による入学者も含む)は、修士課程では、国立大学2,007人、公立大学118人、私立大学1,617人で合計3,742人であり、博士課程では、国立大学962人、公立大学139人、私立大学474人で合計1,575人となっている。

社会人特別選抜制度により、社会人入学者数は、この10年間に学部で約4倍、大学院修士課程で約5倍、大学院博士課程では、約10倍となっている。

A 夜間大学院・学部


夜間大学院とは、専ら夜間に授業を行う大学院であり、89年度の大学院設置基準の改正により、「大学院には、専ら夜間において教育を行う修士課程を置くことができる」(第2条の2)とされ、修士課程の夜間大学院が設置可能となった。1993年には、こうした夜間大学院が博士課程においても制度化され認められることとなった。

現在、全国で夜間課程のある大学は95大学(昼夜開講制を含む)となっている。内訳は私立大学が59大学、国公立大学が36大学であり、うち、88の大学において社会人入試を実施している。また、大学院においても同様に夜間大学院が存在している。大学院の方がその歴史は浅い。

夜間大学院及び昼夜開講制大学院の在籍者数は、この10年間で約14倍となっている。

B 昼夜開講制


昼夜開講制の大学院については、1974年に制定された大学院設置基準第14条特例「修士課程においては、教育上特別の必要があると認められた場合には、夜間その他特定の時間または時期において授業または研究指導を行う等の適切な方法により教育を行うことができる」という条文に基づいている。昼夜にわたって授業を実施することによって、社会人の生活形態に応じて履修できるように便宜をはかることを目的としたものである。こうした制度は、先述のような夜間大学院の設立により、制度面で整備されることとなった。

夜間大学院や昼夜開講制を採用する大学院は年々増え、97年度には、夜間大学院は、修士課程で12大学院の17研究科に設置されているほか、博士課程でも4大学院の4研究科に設置されている。昼夜開講制を採用する大学院も、96年度に修士課程では125大学院の207研究科、博士課程でも34大学院の41研究科ある。

昼夜開講制の大学院は、以下の4つに大別できる。@課程の全期間を夜間等の時間帯の授業で履修し、修了できる大学院、A標準年限の一定部分は昼間に通学し、残りの期間は勤務しながら、夜間などに履修する大学院、B大部分の科目は昼間に開講するが、科目の一部を夜間など通常の授業時間以外の時間に開講する大学院、C方針として昼夜開講制を採用しているが、実際の時間割設定などは担当教員と学生との話し合いによって決める大学院、である。

このために、大学院専攻数は10年間で約30倍に増加した。

C 科目等履修生制度


科目等履修生は、学部において従来認められていたが、1993年10月から大学院においても同様な制度として実施されることになった。これは、社会人等に対し、パートタイムによる学習機会を拡充し、大学院の学生でない者が大学院の一定の科目を履修した場合、それに単位を与えることができる制度である。大学院設置基準は、大学院に入学する以前に大学院で取得した単位(科目等履修生制度によって取得した単位を含む)を、10単位を超えない範囲で大学院の修了要件に算入することができることになっており、科目等履修生制度を利用してあらかじめ大学院の単位を取得しておくことによって、社会人は、大学院入学後の授業負担を軽減し、修了を容易にすることができる。また、単位を長期間にわたって取得し、それら単位を学位授与機構に申請し、学位を取得することもできるようになった。

D 大学通信教育制度


現在、学部については通学教育課程に加えて、通信教育課程が存在している。大学通信教育部の学生は96年度の調査時点で全国で約25万人である。1947年にはじまったこの制度も、全国でさまざまな年齢、職業の人たちが、その目的に応じて学び続けている。

大学院については、現在のところ通信教育課程は認められていない。しかし、文部大臣の諮問機関である大学審議会において、大学院部会から通信制大学院の創設が提言されるなど、新たなかたちでの通信教育制度の在り方が論議されている。

E その他の制度


多くの大学において、職業人を対象にした公開講座やセミナーが数多く開催されている。いわゆるエクステンション講座と呼ばれるこのような試みは、社会に開かれた大学を標榜するところにおいては不可欠なものとなっている。