The Science of the Artificial second edition

Herbert A. Simon 1981

The Massachusetts Institute of Technology

 

新版 システムの科学/ハーバード・A・サイモン

稲葉元吉・吉原英樹訳

1987年 パーソナル・メディア株式会社

 

第1章 自然的世界と人工的世界の理解

 

 

 

 

 

 

第7章 複雑性の構造

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○まとめ

 本書は、限定合理性の理論を提唱して経済学に偉大な貢献をし、コンピュータ科学、組織管理、心理学、コンピュータ・シミュレーション、人間の意思決定など広範な分野にわたって精力的な研究を続けているH・A・サイモンの1967年の原著の第2版である。システム研究のひとつの原点ともいうべき重要な著作であるため、長めに引用を行ったが、

本書の第1章と第7章におけるサイモンの主張をそれぞれ一言でまとめると、

 

  1. システムはその外部構造と内部構造を識別し、システムを両者のインターフェース  としてとらえられることにより、最小限の特性をもって適切にこれらを理解できる
  2. 複雑なシステムはすべて階層構造によって理解することにより、単純な記述により  表し、理解することができる

 

の2点であろう。本書の中でサイモンも述べているように、複雑な対象に対して比較的単純な記述法を見出すことは、この世界についての人間知識の理解という点からも意義がある。複雑なシステムを単純な記述で表すことも同様である。

 

 約30年前にサイモンが論じたこれらの主張は、複雑なシステムについての研究がますます盛んになり、また必要性が高まる今日においてもなお、もっとも重要なわれわれの一つのリファレンス・ポイントであると言えるだろう。

以 上

(文責:澁谷覚、1998年10月4日)