内部組織の経済学

今井賢一・伊丹敬之・小池和男/東洋経済新報社1982年

 

○内部労働市場:

 

 

○内部資本取引:

 

 

○日本の内部組織と市場

 

 

☆ 本書は企業という組織の内部、およびその内部と外部(市場)との境界に注目し、そこでの資源配分や意思決定プロセスを情報や取引の概念を用いて解明しようとする「内部組織の経済学」について、従来の研究成果をレビューし、またこの中で用いられる取引コストやエージェンシー理論などの基本的な概念を解説した上で、これらを用いて特に企業の内外の人とカネの流れに注目し、日本企業とアメリカ企業とを比較しつつ日本企業の強さの秘密を分析・解明しようとしている。その過程で、企業間の協調、連合、業務提携、系列、集団化等の日本企業に特徴的に見られるゆるやかな企業間結合に注目し、市場と内部組織という従来の内部組織の経済学における二分法に対して、さらにその中間領域の存在を提起し、この概念を用いることによって日本企業の強さをうまく解明できるとしている。

  このように、本書の趣旨は「強い日本企業」の強さを解明するというものであり、この結論をこのまま今日に当てはめるにはあまりにも時代の変化が速すぎるとの思いを強くするが、一方で企業の垂直的・多角的方向への発展という、内部組織の拡張というかたちをとらずに、企業の分離や合併会社の設立、ゆるやかな系列関係などのかたちをとる多様かつ柔軟な企業間の協力・協調関係が、情報技術の発達によって技術的に可能になっている今日、この中間組織の概念の重要性が大きいと言えよう。

以 上

(文責:澁谷覚、1998年10月4日)