Rogers, Everett M.
"Diffusion Of Innovations: Third Edition", The Free Press, 1982.
(邦訳:青池愼一・宇野善康『イノベーション 普及学』産能大学出版部, 1990).

本書は、普及学の権威である著者が研究の集大成としてまとめあげた重厚な知的生産物であり、イノベーションがどのような普及過程を通して伝播していくのかを理論的、経験的に解明している。
新技術、新製品、新ライフスタイルなどのイノベーションは社会に新たな選択肢や手段を提供することで「不確定性」を増大させる。そして、その新たな不確定性に対処するために、人々は「情報探索」をおこなうように動機づけされるのである。著者の定義に従えば、「イノベーションの普及は、本質的に、新しいアイデアについての主観的に知覚された情報がコミュニケートされる社会過程」なのである。
よって、イノベーションの普及という観点から社会における情報伝播についての理論を概観した本書は経営情報学を学ぶものにとって必読の書と言わざるを得ない。

<本書のポイント>

イノベーションの決定過程(再発明という概念も)

コミュニケーションチャネルの果たす役割

イノベーション属性と普及速度

革新性による採用者カテゴリー

オピニオン・リーダーの役割

チェンジエージェントの役割

以上

(文責:森田 正隆、1998年5月26日)