Ver20060607

2006年春学期(木曜日1限)

先端研究K:ケース研究・教育法

プログラム: PS

1.  講義概要

 本コースでは政策形成とソーシャルイノベーション(PS)プログラムを活動拠点として専門的な研究・教育者を目指す大学院初年生に対して、ケースによる分析および教育の方法について、基本的な方法論の体系を学ばせるとともに、実地の適用例の検討や、演習によって体得させることを目指す。

目指すのは(1)「問題発見・解決」を通じた学問を目指すSFCにおいて、技術や社会モデルをデザインするために有用な知見を与えるケース研究の方法論をきちんと理解させること、(2)討論型の授業を推奨するSFCにおいて有力な手法の一つであるケース教育法を体系的に体得させること、の二つである。

履修者は概念と方法論を学ぶ傍らで自分のテーマを選び、最終レポートにかえて、学期末までに論文あるいはケース教材を書く(博士課程生はジャーナル投稿レベル)ものとする。成績は最終的にまとまったケース教材/論文の質によってつける。

 

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2.  シラバス

4月13日

オリエンテーション

コースの狙いを説明した上で、文献や演習の方法について解説します

4月20日

ケース研究の論理

社会科学におけるケース研究の位置づけ、ケース研究の可能性と限界、多様なケース研究の類型などについて概観します

·           Yin, Robert K., "Case Study Research: Design and Methods 3rd edition. ", Sage Publications, 2002. 第1章

を読んだ上で議論を行ないます

4月27日

ケース研究の設計

ケース研究の設計について

·           Yin, Robert K., "Case Study Research: Design and Methods 3rd edition. ", Sage Publications, 2002. 第2章

を読んだ上で議論を行ないます

5月11日

総合政策学とケース研究

実践・設計の学問の中におけるケース研究の位置づけについて以下を参考に議論します

·           大江守之・岡部光明・梅垣理郎編 、『総合政策学 -問題発見・解決の方法と実践』、慶應義塾大学出版会、2006年、1〜3章

·           Orlikowski, W.J. and Baroudi, J.J., "Studying Information Technology in Organizations: Research Approaches and Assumptions", Information Systems Research, Vol.2, 1991.

5月18日

ケース教育法の基本

(松澤さん)

·           L.B.バーンズ他、「ケースメソッド実践法」高木晴夫訳、ダイヤモンド、1997年

を参照しつつケース教育の理念について考えます

5月25日

ケース教材開発

(松澤さん)

·           L.B.バーンズ他、「ケースメソッド実践法」高木晴夫訳、ダイヤモンド、1997年

 

6月1日

ケース研究の実際(1)

ケース分析によって執筆された過去の論文を検討します。

·           竹田陽子、『プロダクト・リアライゼーション戦略−3次元情報技術が製品開発組織に与える影響』、白桃書房、2000年.

·           Markus, M.L. "Power, Politics and MIS Implementation," Communications of the ACM, 26, 1983, pp. 430-444.

6月8日

調査法

ケース調査法について

·           Yin, Robert K., "Case Study Research: Design and Methods 3rd edition. ", Sage Publications, 2002. 第3、第4章

を読んだ上で議論を行ないます

6月15日

ケースデータ分析

ケース調査によって得られた情報の分析方法について

·           Yin, Robert K., "Case Study Research: Design and Methods 3rd edition. ", Sage Publications, 2002. 第5、第6章

を読んだ上で議論を行ないます

10

6月22日

ケース研究の多様性

ケース研究と親戚に関係にあるソフトシステムズ・アプローチやエスノグラフィーについて概観します

·           Checkland, Peter and Jim Scholes, “Soft Systems Methodology in Action”, Wiley, 1990. (邦訳:妹尾堅一郎監訳:『ソフト・システムズ方法論』、有斐閣 , 1994年)

·           佐藤郁哉、『フィールドワークの技法−問いを育てる、仮説をきたえる」、新曜社、2002年.

11

6月29日

ケース研究の実際(2)

ケース分析によって執筆された過去の論文を検討します。

·           アリソン、グレアム・T.、(宮里政玄訳)、『決定の本質 : キューバ・ミサイル危機の分析、中央公論社、1977

·           「黙って読んでいる人達(ROM)の情報伝播行動とその購買への影響」(2003)、小川美香子、佐々木裕一、津田博史、吉松徹郎、國領二郎, 『マーケティングジャーナル』, Vol.22,No.4 pp.39-51

12

7月6日

ケース教育演習

(松澤さん)

受講者によって開発されたケース教材によって議論を行ないます

13

7月13日

まとめ

まとめを行います。学期末の提出物としてケース教材かケース研究論文のいずれかを提出していただき、期末試験は行いません