國領二郎研究プロジェクト1                   

「ネットワークを基盤としたビジネスモデル構築とその実行」シラバス

2005年度秋学期 月曜日5時限

カテゴリ: 研究プロジェクト(学部) B(2単位)

 

1.目的・内容

 

本研究プロジェクトは、「アントレプレナーマインドを持ち、ネットワークの特性を理解し、理論や技術を有効活用しながら、社会に貢献する新事業を創出できる人材」の育成を目的としています。

國領二郎研究室は、「多様な主体の持続可能な協働を活性化させるプラットフォームづくり」を目的に、学部生から博士課程までが相互に交流しながら活動を行っています。この学部生を対象とした本研究プロジェクトでは、その中でも特にビジネスモデルに焦点を当て、構築したモデルを具現化し実行していくことを目的としています。具現化していくための方法論として、ベンチャー企業、既存企業、NPOなどの多様な組織の中からもっとも適切なものを探索するアプローチをとります。

その実現のためには、履修者の皆さんが、これからの日本社会に求められている「新事業の創出を担う人材」となることが必要不可欠です。具体的には教員の指導のもと、ケースメソッド及びプロジェクトメソッドにより、ビジネスモデルの構築とその実行を進めます。

研究室全体の方針とグランドデザイン設計を國領二郎教授が担当し、各授業で扱う内容については飯盛義徳専任講師と牧兼充助手が担当します。本研究プロジェクトは、飯盛研究プロジェクトと連携しながら推進します。本研究プロジェクトは、國領研究会プロジェクト2もしくは他の技術系の研究プロジェクトと同時履修することを推奨します。

本研究プロジェクトでは、SFC研究所SIVアントレプレナー・ラボラトリー(SIV)慶應義塾大学メンター三田会KTEC (Keio Technology and Entrepreneur Club)との連携により、ケース・スタディやネットワーキング、教材等を提供します。秋学期は、月曜日5限を中心に行う予定です。

 

 

2.     授業形式・形態

 

本研究プロジェクトは、ケースメソッド及びプロジェクトメソッドにより展開します。本研究プロジェクトは、既存の学問を体系的に学ぶ場ではありません。研究に必要な最低限の知識は、國領研究室webページなどを参考に自ら学ぶ姿勢を徹底して下さい。今現実に起きている最先端の課題に基づいて、学習者自らが自分の力で学ぶ必要があります。体系的な知識を学びたい方には、本研究プロジェクトの受講はお勧めできません。

本研究プロジェクトで学ぶには「授業に参加して知識を得る」のではなく「自らが学ぶ意欲を持ち、そのための環境として授業を活用し、またこの学習コミュニティの活性化に貢献していく」というスタンスが求められます。

上記の他に、秋学期に開催されるSIV Business Plan Contest 2005への応募が必須課題となります(過去にSIV Business Plan Contestにおいてファイナリスト以上の成績を収めた者を除く)。各回の授業は飯盛研究プロジェクトと一部合同で行います。

 

ケースメソッド

具体的なビジネス等に関するケース・スタディを使用します。論点と見解をまとめる事前学習をおこない、授業において履修者間で議論をするという手法です。春学期に使用したケース教材の例を下記に紹介しますが、秋学期に扱うテーマとは異なる場合がありますのでご了承ください。

 

1.ビジネスモデルの評価

ビジネスモデルを検討する際には、「優れたビジネスモデルとは何か」を探求する必要があります。ベンチャーキャピタルがベンチャー企業に対する投資を行う際のDue Diligenceについて具体的なケース・スタディを活用しながら議論します。

 

◆使用教材例:「シリコンバレーベンチャー企業のビジネスプラン」

米国のベンチャーキャピタル(GCP)の大澤弘治氏をお迎えし、実際のベンチャー企業への投資を例にした評価方法をテーマにディスカッションを行いました。

 

2.グローバルネットワーク

ネットワーク技術を基盤としたビジネスには、グローバルな視野を持つことが必要です。メンター三田会と連携し、メンター自身の過去の具体的な経験に基づいたグローバル展開事例を扱い、ケース・スタディとして議論を行います。

 

◆使用教材例:「脱カリスマの経営」

YKKの吉田忠裕社長をお迎えし、YKKのグローバル戦略や今後の経営戦略に関する講義及びディスカッションが行われました。

◆使用教材例:「資生堂フランス1998年」

メンター三田会の森靖孝氏をお迎えし、資生堂のフランス展開に関する講義及びディスカッションが行われました。

 

3.プロジェクト発表とブラッシュアップ

本研究プロジェクトにおけるプロジェクト活動をケース・スタディとして扱います。当事者によるプロジェクトの発表やそのブラッシュアップ等を行います。

 

◆使用教材例:「R-STATION プロジェクト2004

本研究プロジェクト内のプロジェクトであるR-STATIONをケース・スタディとして取り上げ、プロジェクトにおける戦略・意思決定に関するディスカッションを行いました。

 

 

プロジェクトメソッド

履修者間でプロジェクトを立ち上げ、その活動の推進を通じて、多様なことを学ぶ手法です。各活動は授業時間外に行われますが、所属する学生は積極的な活動への参加が必須となります。プロジェクトは、本研究プロジェクトと飯盛研究プロジェクトの合同にて進められます。従って、飯盛研究プロジェクトにおいて主体的に活動するプロジェクトに参加することも推奨されており、単位も認められます。

 

春学期に実施された本研究プロジェクトにおけるプロジェクトの概要を紹介します。名称や内容等は変更される場合や、継続されない場合がありますのでご了承ください。

 

SIVコンテスト運営担当」 (浜本)

SIVコンテスト運営は、SIV主催のビジネスプランコンテスト等の企画・運営・実施を担います。個々人が人脈を獲得しながら、コンテストの運営資金獲得、規模増大、クオリティ向上を目指していきます。

 

「らっきっぷ」 (栗本)

らっきっぷプロジェクトは、電車乗車時の遅延時間という損失をICカード乗車券の機能を用いることによって駅内店舗での販売促進などによる収益により解決する事を目指すプロジェクトです。

 

R-STATION」 (花崎)

R-STATIONプロジェクトは、RFID等のネットワーク技術をエンターテイメントツールとして用いることで楽しい未来を実現しようとしているプロジェクトです。企業と連携して小売店や観光地などへ導入することが予定されています。

 

「次世代携帯ビジネス」 (原)

4世代携帯電話に適したコンテンツや業界における新しいビジネスモデルの研究や企画をSIVと連携しながら実社会で提案していくプロジェクトです。

 

「レシピッと♪」 (中村)

未来のスーパーマーケットで実現すると考えられるビジネスモデルを研究しています。実証実験を目指しています。今秋シリコンバレーで開かれるビジネスプランコンテストへ慶應義塾代表で出場予定です。

 

履修者は上記以外の新規プロジェクトを立ち上げることも可能です。

 

なお、4年生は上記に加えて「卒業制作」が必修となります。卒業制作は、論文に限定せず、ビジネスプラン、ケース・スタディなど多様な形態を受け入れます。

 

 

3.     授業スケジュール

 

毎週月曜5限を基本とし、必要に応じて6限まで延長します。また919日〜20日に合宿を行いますので、原則参加して下さい。具体的な授業のスケジュールは、第1回目の授業で配布します。なお、月曜の5限後にはゲストの方や社会人、学生間の交流を目的とした懇親会等を開くことがあります。そのため、月曜5限後の時間はなるべく空けておいてください。

 

 

4.     評価方法

 

成績の評価方法は二つに分かれます。

TYPE A 過去にSIV Business Plan Contestでファイナリスト以上の成績を収めた方

TYPE B TYPE Aに該当しない方。もしくはSIV Business Plan Contest2005応募を希望する方

 

TYPE A

1/2    授業(ケースメソッド)における貢献 (発言・出席・事前課題・事前準備など)

1/2    授業(プロジェクト)における貢献 (プロジェクトへのコミットメント、具体的な実績)

 

TYPE B

1/3    授業(ケースメソッド)における貢献 (発言・出席・事前課題・事前準備など)

1/3    授業(プロジェクト)における貢献 (プロジェクトへのコミットメント、具体的な実績)

1/3   SIV Business Plan Contest 2005応募の結果

 

 

5.     履修条件・対象

本研究プロジェクトの履修にあたっては、以下の条件を満たす必要があります。

·         ネットワークを基盤としたビジネスモデルを構築することに興味のある方 (技術・理論と関連性のないビジネスモデルは本研究プロジェクトの対象となりません)

·         自らの理論に基づく考えの具現化に、最大限努力する情熱を持った方 (ビジネスへの単純な興味や、就職活動で役に立ちそう、といった安易な理由での履修は認められません)

·         授業への受け身な姿勢ではなく、授業を活用して自発的に学ぶ意欲と姿勢を持った方。

·         ゲスト講師やメンター三田会などSFC外の多くの方々との交流やコラボレーションに積極的に取り組むモチベーションの高い方。

·         サークル・アルバイト・他の授業などに優先して本研究プロジェクトへのコミットメントが可能な方。

 

授業は、学部1年生より4年生まで全ての学生に公開されています(単位にはなりませんが、大学院生、他学部・他大学学生、社会人聴講生も歓迎です)。またビジネス系、技術系など、多様なバックグラウンドを持つ学生を受け入れ、相互に切磋琢磨することを目指します。

本研究プロジェクトは学期ごとに独立したカリキュラムを構築しているため、必ずしも通年履修は求めません。ただし、プロジェクトに参画してその活動から多くのことを学び、個々人が実績を出すためには、長期に渡って履修することが望ましいと言えます。

 

 

6.     最大受入予定人数

 

15 (モチベーションの高い応募者が15名を超えた場合には最大30人の枠内に限り増員を認める場合があります)

 

 

7.     受入予定人数を超えた場合の選考方法

参加を希望する学生は、活動実績をPRするレジュメ (フリーフォーマット。A4 数枚)と志望理由書(フリーフォーマット。A4数枚)を作成しスタッフMLまで送付して下さい。

このレジュメは履修者間で共有し、相互に参照できるようにしますので、その旨を理解した上で作成して下さい。レジュメの作成の際は、「レジュメの書き方」(http://www.siv.ne.jp/networking/resume.html) を参照し、必ず氏名、電子メールアドレス、緊急連絡先(合宿連絡用、電話番号など)、合宿参加の有無を含めて下さい。

志望理由書は、「オープン・アーキテクチャ戦略」(國領二郎著、ダイヤモンド社)または「オープン・ソリューション社会の構想」(國領二郎著、日本経済新聞社)を読み、その内容を踏まえた上で、本研究プロジェクトにおいて取り組みたい研究活動をまとめてください。

また、記入の際どちらの著書(もしくは2冊とも)を選択したかを明記してください。

定員を超えた場合には、書類審査と面接により選考します。

 

              募集締め切り      2005731

 

募集締め切り後、83日までに電子メールにて選考プロセスについてご連絡します。また締め切り後でも履修を受け入れる場合があるので、スタッフMLまでお問い合わせ下さい。

 

 

8.     連絡先

 

國領研究プロジェクト1連絡先

担当教員:

              國領 二郎 (環境情報学部教授: jkokuryo@sfc.keio.ac.jp)

              坪田 知己 (政策・メディア研究科教授)

              兼充 (政策・メディア研究科助手: kanetaka@sfc.keio.ac.jp)

スタッフ:

              高橋 拓也 (TA、政策・メディア研究科修士1)

              浜本 幸一 (SA、総合政策学部4)

              麗君 (台湾連携担当、政策・メディア研究科修士2)

              鈴木 茂男 (メンター連携担当、SFC研究所所員)

スタッフML

              kokuryo1-staff@sfc.keio.ac.jp

              * 質問・ご連絡・課題の提出等は、スタッフMLにご連絡下さい。

 

飯盛研究プロジェクト連絡先

担当教員:

    飯盛義徳(環境情報学部専任講師:isagai@sfc.keio.ac.jp

スタッフ:

    坂田真一(飯盛研TA、政策・メディア研究科修士2年)

 

 

9.     研究室ホームページ

 

http://www.jkokuryo.com/

http://www.siv.ne.jp/

 

 

10. 2006年度春学期の研究プロジェクトのテーマ予定

 

「ネットワークを基盤としたビジネスモデルの構築とその実行」

 

 

11. その他・留意事項

 

·         本研究プロジェクトは、助手の牧が中心となり運営しています。國領は原則月曜5限のみの参加となりますので予めご了承下さい。

·         本研究プロジェクトは、他の研究プロジェクトに比べて、高いコミットメントが要求されます。履修を希望する方はぜひその旨、ご理解いただければと思います。

·         聴講も歓迎します。プロジェクトのみの参加や、特定回の授業のみの参加も可能です。ただし、プロジェクトに参加する場合には、プロジェクト活動へのコミットメントが求められます。また特定回の授業に参加する際には、議論に参加していただくために、事前課題に取り組むことが求められます。

·         履修者の皆さんの主体的な活動を支援するために、アドバイザとなるメンター制度、パートナー企業、必要な資金を提供するためのエンジェル、研究費の助成、モデルのブラッシュアップの場、産業界との交流の場、ビジネスモデルを発表するコンテストへの参加などを支援する仕組みを提供します。

·         本研究プロジェクトの講義等においてSIV会員企業担当者、メンター三田会の方などの多様なSFC外部のゲストが聴講する予定ですので、その点ご了承下さい。

·         本研究プロジェクトの授業内容は現時点での“予定”です。内容によっては、連携先との都合により実現しない場合もあります。秋学期の第1回目の授業において、シラバスの最新版を配布します。予めご了承下さい。