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(緊急告知:2007年5月26日)「はしか」のために、5月28日は休講となります。課題については提出期限を1週間延期します。

 

 

ネットワーク社会の構築

2007年度先端発見科目(2単位)春学期月曜日4限(14:45-16:15

担当:國領二郎

 

 「我々自身の手で、より良いネットワーク社会を『構築する』」という視点に立ち、次の2点を主要な柱として授業を進めていきます。

@より良いネットワーク社会の構築のために必要な考え方や知見を、社会の実例を通じて学ぶこと。

A社会の実例から得た知見や考え方を活用しながら、実事例に即した具体的提案を企画・策定する能力を醸成すること。これは、現にSFCで議論が進行している「次世代キャンパスインフラストラクチャ構築」に対する具体的提案を行うことを授業の一環として行うことで実現します。

本コースで特に焦点をあてるのは、「プラットフォーム」です。ここで言うプラットフォームとは「ネットワーク上で多様な第三者間の結合を促す財やサービス、制度」を指します(例えばプラットフォームの例として、SNSやオークションサイトなどをあげることができます)。我々はプラットフォームを具体的な形で構築可能な「人工物」として考え、とりわけプラットフォームがネットワーク社会のあり方に大きな影響を与える点に着目しています。SNSやオークションサイトを例にこの点について少し詳しく解説しましょう。

インターネット上でSNSやオークションサイトなどの多様なサービスが展開されるようになりました。これを可能とした要因が2つあります。1つがインターネットの汎用性の高さ(おおよそどのようなアプリケーションでも許容する汎用性の高いインターネットがあったからこそサービスやアプリケーションの発展が実現されました)。もう1つ が「つながりの空間」を提供するプラットフォームの存在です。人と人、人と物、インターネットを介してつなげることが可能な主体がたくさんあります。これ ら「つなぐ主体」の文脈にあわせた「つながりの空間」を提供するプラットフォームが存在することで、ネットワーク上のつながりが促進されたり秩序が守られ たりしています。逆に言えば、ネットワーク社会の在り方が、プラットフォームの設計や運用に大きく影響されているということができるでしょう。したがっ て、本コースにおける最大の主題として「プラットフォーム」に着目します。

具 体的には、「どのようにプラットフォームを設計・構築すると、それをより良く機能させたり、持続的に運用したりすることが可能になるか」という問題に着目 します。また、より具体的な問題への応用度を高めるため、プラットフォーム構築の前提となるインフラストラクチャのあり方についても考えます。インター ネットのような汎用的なインフラストラクチャの存在は、ソフトウエアを用意するだけで世界中に広がりのあるプラットフォームを提供する機会を我々に提供し てくれます。プラットフォームを設計・構築するにあたり、その基盤となるインフラストラクチャの未来の在り方を考えることも重要です。インターネットに代 表される自律分散型でボトムアップ的な設計は、インフラストラクチャ構築においても、誰でもが構築に参加することが可能であることを示し、参加の機会を現 に我々に提供してくれています。

  プラットフォームやインフラス トラクチャの構築を現実的に進めるためには、技術的な基盤に加えてプライバシー保護に代表される制度設計や、システムの持続的な維持に向けて(人的・資金 的)資源投入を促すインセンティブ(ビジネスモデル)設計が重要となります。技術、制度、インセンティブをトータルに考えます。技術が得意な人は技術で貢献しつつ社会モデルを学び、社会モデルが得意な人は目指す社会を実現するためには技術とどのように付き合えばいいかを考えて下さい。

 成績は(1)課題提出状況と評価、(2)授業でのよい発言、の二つからつけていきます。

課 題点については、課題を提出するたびに1点が加算され、良いと思われたものにはさらに1点を加点します。ただし、プロジェクト関連(第三回の説明を参照の こと)の最終報告は提出に2点を差し上げ、善し悪しによって2点以内を加点します。プロジェクト関連の提出物については、6月11日に提出を求める企画書 とともに、グループメンバーに一律同じ点を差し上げます。

発言点については、授業中で良い発言をしたと思われる方に一回の授業1点を上限として加点します。以上全ての点を学期末に点を集計した上で、相対評価します。

課題は基本的に、ワープロなどで記述した答案のハードコピー(紙)を授業時間中に提出していただきます。万が一、授業に参加できない・提出が遅れるなどの場合を考慮して、点数を割り引いた上で(正規提出の5割前後)SFC-SFSのシステムから提出することも可能にします。

 

スケジュール

 

 

内容と課題

4/9

オリエンテーション

コース概要を説明します。

4/16

プラットフォーム

より良いネットワーク社会の構築に向けて、人工物として設計・構築が可能な「プラットフォーム」に関する考え方について解説します。

 

課題:資料「プラットフォームの構築」

https://vu.sfc.keio.ac.jp/sfc-sfs/  でダウンロード可能にします) を読み、プラットフォームの例を一つ考えて、紙に書いて、授業中に提出してください。万が一、授業時間内に答案を提出できない場合は、SFC-SFS内の授業ページの「課題」からの提出も受け付けます(この場合、点数を割り引きます)。

5/7

「次世代キャンパスインフラ/創発のプラットフォーム」プロジェクト説明会

現在取り組みが進められている次世代キャンパスインフラストラクチャ構築構想について説明した上で、(1)インフラ上でのプラットフォーム構築と、(2)インフラそのものの構築について、(イ)学生に実践的な提案をしてもらい、()良いものについては実現につなげていく活動をこのコースの中で行い、よい成果をあげた学生に高い評価を差し上げる計画をしています。その活動に向けたコンセプトや前提条件について説明します。

学生提案については、技術的なもの、制度的なもの(例えばプライバシーガイドライン)、やビジネスモデルなど、幅広いものを受け付ける予定です。

やむなく欠席する学生のために、資料とビデオアーカイブを用意しますので、必ず見てください(この回の模様が分からないと、単位がとれないと思います)

5/14

創発のプラットフォーム構築

どのようなプラットフォームを構築すると「創発」が活性化するかについて議論します。

 

課題:資料「創発する社会」

https://vu.sfc.keio.ac.jp/sfc-sfs/   でダウンロード可能にします)第二章と「プラットフォームの構築」を読んで、キャンパス上で創発を活性化させるために、学生がどんなことが出来るかを考えてきてください。その内容を、30字以内のタイトルと400字以内の説明を書き持参し、授業時に提出してください。

5/21

ネットワーク社会における安心・安全、そして信頼

ネットワーク社会における安心と安全というテーマを、「住民基本台帳ネットワークシステム」をめぐる議論をもとに議論します。

 

課題:(1)〜(3)の資料を見て、(イ)住民基本台帳カードの利用促進をはかることの是非と、()是の場合には批判への対応の仕方を、非の場合には代替的な安心安全の守り方についての考えかたについて考えてきてください。その内容を、30字以内のタイトルと400字以内の説明を書き持参し、授業時に提出してください。

 

(1)国民共通番号制に反対する会ホームページ

http://kokuminbango.hantai.jp/ 

(2)総務省住民基本台帳ネットワークシステムホームページ

http://www.soumu.go.jp/c-gyousei/daityo/ 

(3)國領二郎「頼りになるネットワーク社会の構築へ」(https://vu.sfc.keio.ac.jp/sfc-sfs/ でダウンロード可能にします)

 

この日に6月11日に求める企画書提出についての説明を行います

5/28

ゲストレクチャー

金谷年展先生

(緊急告知:2007年5月26日)「はしか」のために、この日は休講となります。課題については提出期限を2週間延期します。

 

課題:

次の四つを読んだ上で、「分散エネルギーのネットワーク化を実現する上で課題となることは何で、それをどう突破すればいいかについて400字以内で論じてください」

 

(1)バイオマス推進と構造改革

 『環境新聞』平成15年(2003年)2月26日(水曜日) あすの環境

http://www.kanaya.info/report2003.htm#7

 

(2)燃料電池・水素エネルギー利用の課題−[天然ガスの改質〓水素]

 SURF 2004 No.68号

http://www.kanaya.info/report2003.htm#12

 

 

(3)燃料電池・水素エネルギー社会の到来

 『熱産業経済新聞』平成15年(2003年)7月5日 http://www.kanaya.info/report2003.htm#10

 

(4)「燃料電池・水素エネルギー社会の展望」
(NTS発行の「水素利用技術」より) SFSで見られるようにします

 

6月4日は早慶戦があるかもしれないので、予め休みとします。6月23日(土)に補講を兼ねて中央大学の藤井先生と合同授業を行います。場所はSFCとなる予定です。

6/11

ネットワークは誰がつくるのか?

ケース「WIDE2006」(http://case.sfc.keio.ac.jp からダウンロード可能)を読み、ネットワーク社会をどのような役割分担のもとで作っていけばいいのかについて考えてきてください。授業はケースを読んでいることを前提に進め、良い発言をした方に加点します。

 

課題:第三回で説明された「次世代キャンパスインフラ/創発のプラットフォーム」プロジェクトについて、A4一枚以内のアイディア説明書を全員に提出してもらいます。グループによる提出を認めます。SFSのレポート提出システムを使用する予定です。https://vu.sfc.keio.ac.jp/sfc-sfs 

6/18

プロジェクト発表会

6月11日に提出されたアイディア説明書の中から、良いと思われたものについて、前日までに指名をし、発表してもらいます。指名して発表を行ったものに1点加点するほか、発表会でよいコメントをしたものに1点加点します。優れたものについては実現に向けた支援を行います。

6/23

土曜

情報技術がもたらす経営革新

中央大学総合政策学部の学生と藤井講師をSFCにお招きし、標記のテーマで合同授業を開催します。

 

課題:後日提示します。

10

6/25

インセンティブのプラットフォーム

弁理士の松倉秀実氏をお迎えし、知的なアウトプットづくりを活性化するプラットフォーム構築と、知的財産権の役割についてお話をうかがいます。合わせて618日に発表されたアイディアの特許化に関するコーチングなどもやっていただく予定です。

 

課 題:7月9日にプロジェクトについて発表を希望するグループのプロポーザル(6月11日のアイディアに加えて実現のための行動プランを加えたもの。6月 11日とは違うアイディアでも可)を6月25日締め切りで受け付けます。提出に対して1点を加点し、採用に対してさらに1点を加点します。

11

7/2

ビジネスとしてのプラットフォーム

株式会社アイスタイル代表取締役兼CEO吉松徹郎氏をお招きし、実際のビジネスとしてのプラットフォーム構築・運営についてお話をうかがいます。

12

7/9

プロジェクト発表会

6月25日締め切りで提出していただいたプロポーザルのうち、内容が濃いと認められたものに、15分発表+8分講評程度の発表の機会を差し上げます。

非常に良いと思われるものについては資金をつけて実現することを考えます。

13

7/11

まとめ

まとめのレクチャーを行います。

 

この日までにプロジェクト最終報告を提出してください。1グループA4二枚以内。タイトル30文字以内。

文献

國領二郎編著「創発する社会−グーテンベルクからSNSを超えて:慶應SFCDNP

プロジェクトからのメッセージ−」、日経BP、2006.