最終更新2003-12-09

46090 ネットワーク社会論

担当:國領二郎

 

ネットワーク社会論授業計画(一部変更の可能性があることをご了承ください)

 

企業、行政、立法などの分野において、それぞれの立場から制度づくりに具体的な提案を行いうる人材の養成を目標に提供する科目です。現在進行形の現実的な設問に対して、理論や過去の議論をきちんとふまえて、論理的かつ現実的に考えるために、今日的な問題に答えるにあたって示唆を与える古典的な文献を合わせて読み、かつ各自に意見をまとめてもらいます。授業計画の設問をご覧いただくと様子がわかると思います。

毎回の授業では、受講生の設問への回答をおうかがいして、議論をする形で進めたいと思っています。そのためにも毎回の準備が少し大変な授業になると思います。そのかわり、最終レポートは軽めもの(恐らく、毎回の設問と同じ程度のもの)にします。

学部生でも履修はできますが、この授業は大学院レベルであることを想定して提供します。提出物や発言なども学部レベルの経済学、社会学とネットワーク技術の基本的なことは理解しているという前提で、学年とは無関係に評価させていただきます。討論型で進める関係で、人数制限を行い(教室のサイズに合わせて)ご希望者が超える場合には上の学年の方を優先いたします。

成績評価については次のシステムで行います。毎回の提出物を誠意ある形で提出したことを基準とし、その上で(1)授業でよい発表を行った、(2)レベルの高い提出物を提出した、(3)その他、他の受講生の学習になる貢献を行った、のいずれかの場合にポイントを加点します。提出物が欠けた場合には減点します。「他の受講生の学習に貢献した」ことが評価の主要なポイントになることにご留意ください。この方式で採点した上で相対スケールで成績をつけます。

 

授業テストBlogを立ち上げました http://jkokuryo.sfc.keio.ac.jp/netsoc2003/

 

 

月日

 

 

9.25

オリエンテーション

授業内容や採点の方法についてご説明します

10.02

情報基盤の構築とその活用

設問:

「 『Eジャパン戦略II』http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/030702ejapan.pdf  はインフラストラクチャの整備がある程度整ったという認識のもとに、利活用推進するようにとの要請られたものです先導的取り組みをあえて前面に出すなど特徴があるものとなっています。技術を社会に活用する提言として、あなたが自分で書く立場にたったら、この戦略をどのように書くか、基本的な考え方を400字以内で述べてください。」

 

参考:戦略を具体化したものとしてEジャパン重点計画がある。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/030808honbun.pdf

10.9

情報技術と社会

設問:

「チャンドラーの著作と下記研究会報告に言及しつつ、ネットワーク業界における今後のビジネス展開をどのように想定し、制度をどのように設計すべきかを400字以内で述べてください。」

 

 情報通信新時代のビジネスモデルと競争環境整備の在り方に関する研究会 報告http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020606_3_01.html

要旨 http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020606_3.html#02 

 

 A.D. チャンドラー著、鳥羽欽一郎・小林袈裟治訳、『経営者の時代-アメリカ産業における近代企業の成立 』、東洋経済新報社、1977年   http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/chandler1977hayashi.htm 

 國領二郎、『オープン・アーキテクチャ戦略』、ダイヤモンド社、1999年

10.16

競争政策

設問:「 接続料をめぐる以下の議論について、あなたが総務省の担当だったら、どのように対応するか、400字以内で書いてください。」

接続料規則の一部改正 http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/030328_11.html

18社連名意見書 http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/pdf/030318_2_04.pdf

接続約款認可処分取消訴訟の提起について  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2003/0717/index.html

 

参考資料:林紘一郎著,『ネットワーキング―情報社会の経済学』,NTT出版,1998 (第3、5、6章)

 

5

10.23

共有地の悲劇?

設問:「Hardinの議論に言及しつつ、ユニバーサルサービスをめぐるNTTとイーアクセスの見解について自分のコメントを400字以内で述べてください。」

http://www.ntt-east.co.jp/release/0204/020424.html

http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/pdf/020523_6b.pdf

http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020523_6.html 

http://it.nikkei.co.jp/it/njh/njh.cfm?i=20030314s2000s2

  G. Hardin, 1968, The tragedy of the commons, Science 162, pp.1243-1248 (図書館システムからダウロード入手可能)

参考:  http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020213_3.html#betten2 (第二章のみ)

 

6

10.30

メディア政策

設問:「放送と通信は融合することを前提として政策を進めるべきという議論と、しばらくは分かれたままとなることを前提とすべきという議論があります。参考資料を参照しつつ、あなたの意見を400字以内で書いてください。」

「ブロードバンド時代における放送の将来像に関する懇談会とりまとめ」  http://www.soumu.go.jp/singi/b_kondan/b_kondan_03.html (放送と通信は、国民にとって、社会的機能を基本的に異にするものであり、今後5〜10年でその区別が完全になくなるとは考えにくい。)

 「IT分野の規制改革の方向性」IT戦略会議IT関連規制改革専門調査会 http://www.kantei.go.jp/jp/it/network/dai8/pdfs/8siryou1-1.pdf (通信と放送の融合は必然の方向)

 日本放送協会のインターネット利用及び子会社等の業務範囲等に関するガイドラインについての意見募集http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020208_1.html#betten1 (日本放送協会のインターネット利用に関するガイドライン)

 参考:M.マクルーハン著、森常治訳、『グーテンベルクの銀河系――活字人間の形成』、みすず書房、1986年

 

11.06

制度と市場

設問:「レッシグとハイエクを参考に、ネットワーク時代における市場経済のあるべき姿について400字以内で論じてください。」

 

ローレンス・レッシグ著、『CODE − インターネットの合法・違法・プライバシー』、山形浩生・柏木 亮二訳、翔泳社, 2001年 http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/Lessig,%201999,%20Hattori.htm 

 

Hayek, F. A., “The Use of Knowledge in Society”, American Economic Review, 1945. http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/Hayek,%201945,%20Hattori.htm 

 

8

11.13

プライバシー

設問:「個人情報保護法及びと参考資料を検討し、今後わが国においてプライバシー保護をいかにはかっていけばいいか論じてください。国際的な見地からも議論してください。」

http://www.kantei.go.jp/jp/it/privacy/houseika/hourituan/

 

参考資料:日本弁護士連合会「自己情報コントロール権を情報主権として確立するための宣言」http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/sytyou/jinken/00/2002_4.html

 

参考資料:http://www.export.gov/safeharbor/

 

9

11.27

国際的ネットワークの時代の法的な管轄権

ゲストスピーカー:加藤幹之氏(富士通知的財産権本部長兼安全保障輸出管理本部長)

設問:「インターネットや電子商取引の普及で、国や地域を越えた取引や行為が普通となります。しかし、法律や制度は、主権に基づいたものである以上、国や地域に限定して適用せざるを得ません。刑事事件では、犯罪捜査の国際協力等、条約などによる国際的な協調が進みつつありますが、民事事件では例えばプライバシーの保護、名誉毀損やワイセツの定義、違法コピーの範囲、等、調整の難しい問題も多くあります。インターネットの時代の紛争は誰が裁くべきか? 誰が法的管轄権を持つべきか? 下記の文献等を参考にしながら、400字以内で、自由に意見を述べて下さい。」

参考資料:

http://www.ichiben.or.jp/iplegal/back1997.11/1997.11net.html

ftp://ftp.hcch.net/doc/genaff_pd08e.pdf

  「ハーグ国際私法会議の『裁判所の選択合意に関する条約作業部会草案』(上)」NBL722号8-17頁[2003] (別途、コピー配布)

なお、この分野の法律専門家である道垣内教授の下記サイトには、多くの資料が挙げられています。

http://www.j.u-tokyo.ac.jp/~dogauchi/gyouseki.htm

 

10

12.04

ネットワーク社会における信頼

設問:「 ケース:石井食品(別途配布)を読んで、今後、石井食品が企業としての発展と、情報開示による責任ある事業展開を両立させていく上でどのようなアクションを取っていくべきか400字以内で論じて下さい。」

 

参考資料:

 山岸俊男,『信頼の構造 こころと社会の進化ゲーム』,東京大学出版会,1998年. http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/yamagishi1998hayashi.htm

 

 國領二郎、 ネット上における消費者の組織化−そごうに対する不買運動の事例から− http://www.e.u-tokyo.ac.jp/itme/dp/dp73.pdf 

 

11

12.11

知的所有権

設問:「『ファイル交換ソフト利用実態調査」結果まとまる(2002/5/29)』と『中古ゲームソフト販売をめぐる大阪訴訟判決について(2001/3/29) 』についてあなたの考えを400字以内で表明してください。」  

 

 「ファイル交換ソフト利用実態調査」結果まとまる(2002/5/29)http://www.accsjp.or.jp/release/020529.html 」

 

中古ゲームソフト販売をめぐる大阪訴訟判決について(2001/3/29) http://www.accsjp.or.jp/used.html

 

 参考:中山信弘,『マルチメディアと著作権』,岩波書店,1996年.

 

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12.18

「実感できる」情報化へ

設問:「ケース:国立京都病院(別途配布)」を読んで北岡医師は今後どのように地域における医療情報の共有化を進めるべきか400字以内で論じてください。」

 

参考資料:保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン

http://www.mhlw.go.jp/shingi/0112/dl/s1226-1.pdf

 

13

1.15

まとめ

設問「このコースを通じて、最も印象深かった点について400字以内で論じて下さい。」

 

 

試験

毎回の400字レポートをもって試験に替えます