最終更新2002.10.17

46090 ネットワーク社会論

担当:國領二郎

企業、行政、立法などの分野において、それぞれの立場から制度づくりに具体的な提案を行いうる人材の養成を目標に提供する科目です。現在進行形の現実的な設問に対して、理論や過去の議論をきちんとふまえて、論理的かつ現実的に考えるために、今日的な問題に答えるにあたって示唆を与える古典的な文献を合わせて読み、かつ各自に意見をまとめてもらいます。授業計画の設問をご覧いただくと様子がわかると思います。

毎回の授業では、受講生の設問への回答をおうかがいして、議論をする形で進めたいと思っています。そのためにも毎回の準備が少し大変な授業になると思います。そのかわり、最終レポートは軽めもの(恐らく、毎回の設問と同じ程度のもの)にします。

学部生でも履修はできますが、この授業は大学院レベルであることを想定して提供します。提出物や発言なども学部レベルの経済学、社会学とネットワーク技術の基本的なことは理解しているという前提で、学年とは無関係に評価させていただきます。討論型で進める関係で、人数制限を行い(教室のサイズに合わせて)ご希望者が超える場合には上の学年の方を優先いたします。

 

ネットワーク社会論授業計画(一部変更の可能性があることをご了承ください)

月日

 

 

9.26

オリエンテーション

設問:「情念や、暗黙知などはコンピュータを介しては伝わらないという意見があります。次を読んで意見を400字以内でのべてください。

“Organizational Information Requirements, Media Richness and Structural Design”, Management Science Vol. 32, No. 5, May 1986. http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/daft_lengel.html 

Shannon, C. E., "A Mathematical Theory of Communication," The Bell System Technical Journal Vol. 27, pp. 379-423, 623-656, 1948. http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/shannon1948hayashi.htm 

 Norbert Wiener, “The Human Use of Human Beings – Cybernetics and Society”, Houghton Mifflin & Co., U.S.A., 1950 http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/Wiener,%201950,%20Hattori.htm 

 

10.03

情報技術と社会

設問:「チャンドラーの著作と下記研究会報告に言及しつつ、ネットワーク業界における今後のビジネス展開をどのように想定し、制度をどのように設計すべきかを400字以内で述べてください。」

 情報通信新時代のビジネスモデルと競争環境整備の在り方に関する研究会 報告http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020606_3_01.html

要旨 http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020606_3.html#02 

 A.D. チャンドラー著、鳥羽欽一郎・小林袈裟治訳、『経営者の時代-アメリカ産業における近代企業の成立 』、東洋経済新報社、1977年   http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/chandler1977hayashi.htm 

 國領二郎、『オープン・アーキテクチャ戦略』、ダイヤモンド社、1999年http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/kokuryo-isagai.htm

 

10.10

メディア政策

設問:「放送と通信は融合することを前提として政策を進めるべきという議論と、しばらくは分かれたままとなることを前提とすべきという議論があります。参考資料を参照しつつ、あなたの意見を400字以内で書いてください。」

「ブロードバンド時代における放送の将来像に関する懇談会」
中間とりまとめ
  http://www.soumu.go.jp/singi/b_kondan/b_kondan0717.html (放送と通信は、国民にとって、社会的機能を基本的に異にするものであり、今後5〜10年でその区別が完全になくなるとは考えにくい。)

 IT分野の規制改革の方向性」IT戦略会議IT関連規制改革専門調査会 http://www.kantei.go.jp/jp/it/network/dai8/pdfs/8siryou1-1.pdf (通信と放送の融合は必然の方向)

 日本放送協会のインターネット利用及び子会社等の業務範囲等に関するガイドラインについての意見募集http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020208_1.html#betten1 (日本放送協会のインターネット利用に関するガイドライン)

 参考:M.マクルーハン著、森常治訳、『グーテンベルクの銀河系――活字人間の形成』、みすず書房、1986年

レクチャー資料:http://www.kbs.keio.ac.jp/kokuryolab/class/nsociety2002/nsociety20021010.files/frame.htm

 

10.17

共有地の悲劇?

設問:「Hardinの議論に言及しつつ、ユニバーサルサービスをめぐるNTTとイーアクセスの見解について自分のコメントを400字以内で述べてください。」

http://www.ntt-east.co.jp/release/0204/020424.html

http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/pdf/020523_6b.pdf

http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020523_6.html 

G.Hardin, 1968, The tragedy of the commons, Science 162,pp.1243-1248 (図書館システムからダウンロード入手可能:キャンパス内からhttp://www.jstor.orgにアクセス、general scienceを指定し、Hardin, commonsをキーワードにすると出てくる。

参考:  http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020213_3.html#betten2 (第二章のみ)

 

5

10.24

制度と市場

設問:「レッシグとハイエクを参考に、ネットワーク時代における市場経済のあるべき姿について400字以内で論じてください。」

 ローレンス・レッシグ著、『CODE − インターネットの合法・違法・プライバシー』、山形浩生・柏木 亮二訳、翔泳社, 2001年 http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/Lessig,%201999,%20Hattori.htm 

 Hayek, F. A., “The Use of Knowledge in Society”, American Economic Review, 1945. http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/Hayek,%201945,%20Hattori.htm 

 

6

10.31

ネット上における秩序と自由

設問:「山岸の議論を参照しつつ、『特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律』(プロバイダ責任法) http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/top/denki_h.html )を検討して意見を400字以内で述べて下さい。 」

 山岸俊男,『信頼の構造 こころと社会の進化ゲーム』,東京大学出版会,1998年. http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/yamagishi1998hayashi.htm

 國領二郎、 ネット上における消費者の組織化−そごうに対する不買運動の事例から− http://www.e.u-tokyo.ac.jp/itme/dp/dp73.pdf 

 

11.07

ネット上のインタラクション

ビジネスゲーム@

KBSで開発されたビジネスゲームを体験していただきます。事後に可能性と限界等についてフィードバックいただきます。 集合で説明をした後でグループに分かれていただき、作業していただきます。

ガイダンスをご覧下さい。

8 11.09 ネット上のインタラクション

ビジネスゲームA

グループワークとなります。

ガイダンスをご覧下さい。

9

11.14

モバイル社会

モバイル技術が教育をどのように変化させるか。ソフトピア会場、SFCと大手町を結んで実験を実施します。

 

10

11.28

国際的ネットワークの時代の
法的な管轄権

 設問:「次の論文を読み、インターネット時代の裁判管轄権や外国判決の執行のあるべき姿について、(特に消費者契約を例にあげて)400字以内で述べてください。」

1. 「『民事及び商事に関する裁判管轄権及び外国判決に関する条約準備草案』を採択した1999年10月のヘーグ国際私法会議特別委員会の概要(1)-(7・完)」国際商事法務28巻2号170-177頁、3号307-311頁、4号466-471頁、5号604-608頁、6号735-739頁、7号860-864頁、8号988-993頁[2000]

2. 「裁判管轄等に関する条約採択をめぐる現況---2001年6月の第1回外交会議の結果---(上)(下)」ジュリスト1211号80-91頁、1212号87-95頁[2001]

参考サイト:
http://www.j.u-tokyo.ac.jp/~dogauchi/gyouseki.htm 
http://www.geocities.com/SiliconValley/Bay/6201/indexjpn.html

ゲストスピーカー:ILPF名誉会長(富士通)加藤幹之氏

 

11

12.05

プライバシー

設問:「個人情報保護法案を検討し、今後この法案をどのように扱えばいいか意見を400字以内で述べてください。参考資料を見て欧米の事情と比較して、国際的な見地からも議論してください。

http://www.kantei.go.jp/jp/it/privacy/houseika/hourituan/327houan.html (このリンクは11月時点の最新のものと入れ替える予定)

参考資料: http://www.export.gov/safeharbor/ 

 

12

12.12

知的所有権

設問:「『ファイル交換ソフト利用実態調査」結果まとまる(2002/5/29)』と『中古ゲームソフト販売をめぐる大阪訴訟判決について(2001/3/29) 』についてあなたの考えを400字以内で表明してください。」  

 「ファイル交換ソフト利用実態調査」結果まとまる(2002/5/29)http://www.riaj.or.jp/cgi-bin/press_release.cgi?id=36 」

中古ゲームソフト販売をめぐる大阪訴訟判決について(2001/3/29) http://www.accsjp.or.jp/used.html

 参考:中山信弘,『マルチメディアと著作権』,岩波書店,1996年.  http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/nakayama-kitagaki.htm 

 

13

12.19

情報と収益

設問:「下の文献を参考にしながら、今後音楽業界はどのような収益モデルを構築していけばいいか400字以内で提言してください。」

 服部基弘、國領二郎「デジタル財の市場構造と収益モデル」  http://www.e.u-tokyo.ac.jp/itme/dp/dp95.pdf 

A シャビロ、 H. R. バリアン著、『ネットワーク経済の法則』、IDGジャパン、1999 http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/shapiro&varian1998hayashi.htm 

 梅棹忠夫,『情報の文明学』,中央公論社,1988年.  http://www.ecrp.org/topic-s/bs/review/doctor2002/umesao-isagai.htm