これまでのビジネスのやり方は終わりだ
◆ この本の成り立ち : 1999年、4人の米国人がインターネット経済でのビジネスのやり方に関する95か条のテーゼ(クルートレイン宣言)を発表した。これはインターネット上で交わされた会話を元にまとめられたもので、賛同者にはWeb上での投票を呼びかけていた。この宣言が本書の元であり、本書は95カ条のテーゼに加えて、4人がテーゼの背景となったそれぞれの考えを具体例や体験を挙げながら語った章から成り立っている。
*クルートレインのWebページ http://www.cluetrain.com/
*日本語のページ http://www2.gol.com/users/jheine/cluetrainj.html
◆ この本の主張
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(インター)ネット化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(イントラ)ネット化 ・・・・された市場と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ された社員が 出会うとき ウェブの接続性は、企業のビジネスの内外の状況を、 つまり市場と社員を変えつつある。 インターネットによって、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ イントラネットは、 市場にいる人びとは、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 優秀な社員たちを、 会話を交わす新しい方法を ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・組織図の枠を超えて、 見つけたり、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ハイパーリンクする。 作りだしたりしている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彼らは信じられないほど 彼らは企業のビジネスを ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・生産的で革新的だ。 話題にしている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 彼らは、 彼らは、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・自分の肉声で 自分の肉声で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・真実を 真実を語りあっている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・語りあっている。 市場と社員の間で、新しい会話が交わされている。 この会話は、社員をより賢くし、 自分の肉声を発見させる。 選択肢は2つだ。 企業は、安直な言葉とバカげたパンフレットの 裏側に潜みつづけるのか、 それとも、会話に加わるのか。 |
P26より抜粋
◆各章の論旨
<1章:インターネット黙示録> byクリストファー・ロック
マーケティング担当者は今なお、インターネットをトップダウン方式の放送モデルの焼き直しと思い込んでいる。彼らの目に映っているインターネットは、購入ボタン付きのテレビなのだ。しかし、企業にとってのインターネットの本質は「市場との会話」である。現在、インターネット上と、インターネット上でそれぞれ新しい会話が進行している。この二つの会話は、企業の(比喩的な)ファイアウォールにちょって切り離されている。企業は自社の従業員と市場の消費者が肉声で会話をすることを恐れているが、そうした企業の未来は暗い。
<2章 : 心から望むもの> by デビッド・ワインバーガー
ビジネスを含め、我々は多くの面で管理されている。管理はリスクを減らす等の利点がある反面、我々の肉声を奪った。多くの人がウェブに惹かれるのは、それが人間的な肉声の回帰を約束しているからだ。ウェブはパブリックな場所であり、肉声を通して他者に自分を示せる。
<3章 : 対話は高くつかない> by リック・レバイン
ネットワークにおける対話−肉声を伝える方法−には、電子メール、メーリングリスト、ニュースグループ、チャット、ウェブサイト、などの様式がある。
サターン社の車の所有者のニュースグループにおける出来事を例に取ると、車の整備代金に対するに所有者間の対話にサターン系ディーラーが参加しなかったことは、潜在顧客を逃した可能性がある。そして、サターン社の技術者が対話に加わったことで、サターン社は何の費用もかけずに大きな利益を得た。会社は社員自身の肉声を通じて企業の活力的な情熱をコミュニケ−トさせるべきだ。費用はわずかで、得るものは大きい。
<4章 : 市場は対話だ> by ドク・サールズ / デビッド・ワインバーガー
マーケットはかつて、供給と需要が出会って同じトピックについて会話を交わす場所だった。会話は産業化によって途切れてしまったが、インターネットによって再びマーケットに対話が戻ってきた。では、産業化の時代に利用されてきたマーケティングはどうなるのか?
・ PR、広告 優秀な宣伝広告担当者の仕事は、市場が実際に聞きたがっている物語を見極め、ジャーナリストが真実の伝える物語を書くのを手伝い、人びとが会話をするように仕向けることだ。ウェブにおける会話は、どんなときでも誇大広告を打ち負かすことができる。
・ マーケティングコミュニケーション パンフレットのようなウェブサイトならば、ダウンロードせずに済む分パンフレットのほうがましだ。ウェブでの会話に加わりたければ、企業の考え方を表現し、企業内の有用な人びとにアクセスするための便宜を提供するものでなければならない。
・ 価格設定 良質の会話にはものすごい需要があり、商品化を戦う一つの方法となり得る。また、ウェブでの新しい市場では、需要者が価格を決めており、価格が一様に決まるわけではない。顧客ごとに違ったルールで価格が決められており、そこでは絶えず会話が必要とされている。
・ ポジショニング ポジショニングが、ビジネスにおいて自社が何であるかを発見することならば、思いつきのキャッチフレーズをひねり出すのではなく市場の評価に耳を傾けるべきだ。市場の評価が好きでないなら、マーケティングの仕事は企業に対する市場の評価を変えることではなく、企業の実態を変えることである。
では企業はどうすれば会話に参加できるのか?プレスにしゃべれるの広報の人間だけ、といった制約を無くし、社員が一個人として発言し、自分の観点やユーモアや、情熱を示せるようにすることである。社員を通じて公式見解を述べるようなことはしてはならない。
<5章 : ハイパーリンクされた組織> by デビッド・ワインバーガー
企業組織というプラミッドはハイパーリンクに置き換えられつつある。ハイパーリンクは会話の通り道であり、会話とはアイディアが誕生し、パートナーシップが形成される対等な人間同士の交わりのことだ。企業内でこれを実現するのはイントラネット革命であり、ボトムアップで進行していく。ハイパーリンクな組織とはどのようなものか、ウェブの特徴に沿ってみていく。
・ ハイパーリンク 会社のオフィシャルな組織構造は余り役に立たない。仕事の効率は、自分がどのくらいネットワークされているか、ハイパーリンクされているかによって決まる。有能な専門家とは、全ての答えを知っている人ではなく、どこに答えがあるかを知っている人である。
・ 分散化 人びとは自身の力で仕事をしなければならない。また自分を信頼して自分自身で実行する力を身につけた。
・ ハイパータイム(インターネットタイム) ウェブは時間を分散化する。その結果、マスタースケジュールに沿った行動などは意味をなさなくなるし、私事の時間が勤務時間に浸透していく。ウェブではランダムに好きなものを選べるため、ザッとで済ませないものに忍耐の限界を感じるようになってきている。
・ オープンおよびダイレクトなアクセス 情報は本来、人に知られなければ価値がない。情報は賢い人びとがそれを手にし、問題解決や機会活用のためのアイディアと組み合わせて使うときにその価値を増す。今までのビジネスでは秘密主義が横行していたが、秘密主義に基づくレポートの質は、自由なアイディアの交換から生まれるレポートよりもはるかに劣っている。
そして、情報アクセスのオープン化は通常の意思決定のプロセスの空洞化を意味している。意思決定の方法はますます多様化し、どのように意思決定するかがプロジェクトの重要な部分になっていくだろう。
・ データが豊富 ウェブは文脈性が高く、また表現形式も優れているためデータベース化された情報よりも内容や構造が豊富である。我々は情報ではなく、物語を通じて物事を理解する。必要なのはこれ以上の情報や良質の情報、要約された情報などではなく、物語を通じての理解だ。
・ 壊れているところもある システムも人間も、不完全な存在である。しかし、間違えることから学ぶことも多い。間違いを許容できる会社がよい。
・ ボーダレス 企業内の組織階層や企業の砦の外の人たちとの境界線が明確でなくなってきている。
⇒ビジネスの特徴は、ウェブの特徴と同じものになりつつある。
<6章 : EZな答え> by クリストファー・ロック / デビッド・ワインバーガー
ウェブビジネスの世界で富と名声を手にする方法は、次の12ステップだ。これらは、この順番どおりに実行されなければならない。
1.リラックスする 2.ユーモアを持つ 3.自分の肉声を見つけ、それを使う
4.真実を語る 5.パニックに陥らない 6.楽しみながら働く
7.大胆に行う 8.好奇心を忘れずに 9.遊び心を持って
10.夢を忘れずに 11.人の話に耳を傾ける 12.おしゃべりをつづける
これらのステップと日々の決断との間には大きな開きがある。しかし、それらは自分で学び、語らなくてはならない。
<7章 : ポスト黙示録> by クリストファー・ロック
インターネットは、人間性のある肉声に溢れたグローバルな市場をもたらした。企業は、何を考えているかを語れなければ、そこで生き残ることはできない。